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「日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る~なぜ、日本企業の防虫蚊帳がケニアでトップシェアをとれたのか?~」読んでみた

こんにちは!「読書で生きていく」です。

今回は、事業を描いたドラマから、ビジネスのエッセンスを掴むことができる、 浅枝敏行 著  日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る~なぜ、日本企業の防虫蚊帳がケニアでトップシェアをとれたのか?~ を、読んでみました。

 

日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る~なぜ、日本企業の防虫蚊帳がケニアでトップシェアをとれたのか?~

オススメ度:★★★★★

 

~目次~

 

プロローグ、オリセットの誕生と躍進、オリセット誕生前夜、動き始めたオリセット・ビジネス、小売りへの参入―消費者マーケティングへの挑戦、競争と変革への備え、新たな事業を「始める」、BOP市場へのマーケティング、おわりに

 

~大まかなあらすじ~

 

アフリカで蔓延するマラリア。それは、ハマダラカによる病原菌の媒介で起こる病気だ。マラリアの撲滅のため、住友化学は、新たな「蚊帳」を作ることを決断した。既成の蚊帳とは違って、蚊帳の網自体に殺虫剤が織り込んである蚊帳だ。素材にこだわった蚊帳づくりは、きっと住友化学にしか実現しえないプロジェクトだ。しかし、様々な観点から、前例のない事業であった「オリセット」づくり。住友化学の研究員や会社員の奮闘のおかげで、国籍を問わず、様々な企業やWHOなどの団体と連携を取りながら、実現へと向かっていたが、その一貫には、様々な問題と、人々の奮闘があった。

既成の蚊帳は、網目が細かい代わりに、通気性が悪い。また、素材や処理方法もピンキリで、中には、定期的に購入者自らに薬品処理を行ってもらうことを前提とした蚊帳も。暑いアフリカの気候や、教育の普及など、アフリカの文化を考慮していない商品が多数あり、既成の蚊帳は、蚊帳としての役目を果たしていなかった。それゆえ、ユーザーフレンドリーな蚊帳を支給し、普及させる必要があった。そのためには、素材や使いやすさへのこだわりなどの、製造に関しての問題のみならず、アフリカの市場やニーズを調査し、値段や流通方法、パッケージや広告を決めることなど、販売方法に関しての問題もあった。そのような、非常に困難な道程であった「オリセット」づくりが、どのように実現されていったのか。その過程が丁寧に描写されている。

 

 

~感想~

 

約400ページの本ですが、読んでいて飽きません。それは、この話がノンフィクションだからこそ、ドラマチックな展開を、より現実感を持って感じることができるからだと思います。

まず、住友化学の研究員や、会社員は、一人ひとりの個性が際立っていました。それぞれが、自分の強みや経験、思考力、センスを活かして、着々と事業を進めていく描写は、読んでいて心地良かったです。着眼点が鋭い人や、最高のクオリティに固執する人、様々な分野に携わっている人や、あるいは特定の分野に精通する人など、様々な人々が登場しました。性格も、経験も様々でした。一言で言うならば、住友化学のメンバーたちの、それぞれが精通する、特定の分野に関する深い知識が、人々同士の交流によって、事業の実現に向けて必要とされるものだけが引き出されていく、そうやって事業が形になっていく過程が、緻密に描かれていました。

三年後には就活が待っている大学一年生ですが、この話を通して、仕事というものが何たるか、少し知ることができたと思います。事業を進めていく作業は、個人プレーでもあり、連携プレーでもあるのです。つまり、会社には、個性の異なる様々な人間がいて、それを誰かが見極めて、仕事を振っていき、そして、みんなでカバーしあって、事業を作り上げていき、そして、その過程において一番重要なことは、様々な力量を持った人々を繋ぎ合わせてくれる、コミュニケーションだということが分かりました。

 

 

~学習問題~

 

この本で学んだことは、コミュニケーション力と、特定の分野への深い知識、様々な分野への幅広い知識、事務的な作業に必要とされる知識、経験の質・量、自分の強みを知ること、それをアピールする力、正しいものを作り上げるための思考力、正しいものを正しいと見極めるセンス、他の人の考えを素早く理解すること、勘、などの重要性です。

これらの内容は、別の記事で、詳しく取り上げたいと思います。

 

こちらの記事を参照して下さい。

 (記事が出来次第、こちらにリンクを張ります)